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森の薪能

新宿御苑の薪能に行ってきました。一緒に行ってくれたのは、会社の先輩のYさんです。もともと能がお好きな方で、以前観世清和お家元のファンだとおっしゃってたので、お誘いしました(*^^*)

6時開演で、5:30頃に御苑に着くと、空はみるみる暮れていき、夕闇に13夜の月はこうこうと。虫の声が辺りを覆って、もう、雰囲気満点です。
薄く色を変えた大木を背景に、鈍く光る衣をまとった能楽師達が舞台上をすべるように動いていきます。その動きを見ていると、時空を超えて、ここじゃないどこかに連れて行かれます。

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こういうとき、能っていいなあ、と思います。
(まあ、たいがいはごーごー寝ちゃうんですけどね。)

薪能に合わせた着物は、川越唐桟。木綿なんですが、すべっとした織地で絹の裏を張ってもらっているので、紬の着物みたいです。下駄は弥生さんの雀ちゃん。京都のややさんに卸していたころ、Sサイズで作っていただいた、宝物です(⌒‐⌒)
Yさんは、大島。これが、水玉模様で八掛はベージュ。ほんとにおしゃれでした!イエローベージュ系のいろんな色の糸を使った織のしゃれ袋帯にえんじの帯締。さらに、習いに行ってらっしゃる織物教室の先生作のマント。紡いだ糸がすべらか、かつふんわり。
いいですねえ、お着物で能鑑賞。和の気分が盛り上がって、二人おおはしゃぎでした(^ο^)












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さて、この日の演目は
越後婿: 婿(萬斎)、舅(石田幸雄)、太郎冠者(月崎晴夫)、勾当(野村又三郎)
石橋: 童子・白獅子(観世清和)、赤獅子(観世淳夫)、寂昭法師(宝生欣哉)

どちらも獅子の踊りが入る獅子舞つながりでした。御苑の薪能では、毎回このようなテーマを設けるそうです。能と狂言の対比が興味深いですね。
萬斎さんの婿は飄々として程よい軽みがあって、なおかつ品があり、とにかくこの人でないと味わえない素晴らしさです。笑える曲ではないのですが、その分萬斎さんの芸を堪能しました。
清和さんは、本当にステキです。能楽師の方はあんまり個別認識できないし、またする必要もないと考えていたのですが(面かぶってるし)、この方だけは、自然とわかります。まあ、個人的な好みの問題なのかもしれないのですが。2年くらい前のお正月に翁を観たんですね。以来清和さんのファンになり、翁好きになりました。
今回もこの方の声によって、深山幽谷千尋の滝のほとりに棲む心霊を見、ひんやり冷たい水と緑と土の匂いを感じました。

本当に堪能させていただきました。(感謝の合掌・・・)

by panda-korokoro | 2011-10-10 11:09 | 着物で能・狂言